再会

　大学時代の友達が帰省途中に立ち寄ってくれることになり、いそいそと支度。今日は姉と姪っ子が帰省してくるけれど、気にせず行っておいでと言ってくれたので、お言葉に甘えて、たっぷり遊んで参りました。

　20年ぶりくらいだと思います。友人はあまり変わっていなくて、会った途端ほっとしたというか、 急速にこれまでの会わなかった時間が埋まる感覚がありました。不思議です。

　ひとしきり思い出話をして、なんとなく互いの近況を話したり。

　肩の力が抜けて、気を遣わず、でも程よく気を遣って、居心地が良かったです。そういう空気で包んでくれる友人。今も昔も同じ。優しくて、楽しくて、おもしろい。そこも変わらない（笑）

　学生時代も、一緒にふざけたりしていたんだけど、会話の内容も、考えることもほぼ一緒で、何も変わらない私達。合わせてくれていたのかもしれないけれど（笑）

　６時間ちょっとの間、ずーっと話して笑っていました。楽しかった。とにかく楽しかったです。久しぶりにお酒も飲んで、おいしい牡蛎も食べて、あっという間の再会が終了しました。

　ホームまでお見送りをして、一人になってから、急に寂しくなったほど楽しかったです。それも、Facebookのおかげです。そう、Facebookで再会したのがきっかけだったのです。悪用する人もいるけれど、使う側のモラルが問われるのがネットの世界。正しく使っていけば、こんなに楽しい時間が過ごせるのです(^^)


　私には、とっても大切な友人がいました。そう、過去形なのです。戸籍上ではもう過去形になってしまったのです。大学に入る前からの知り合いで、偶然入学後の寮生活で、同部屋になったのがきっかけ。とってもしっかりしている女性でした。とても勤勉で、互いに正直に遠慮なく意見を戦わせたりもしていました。私が歌の道から離れても、歌の道に戻っても、一番応援してくれていたし、私の辛さも一番理解してくれていました。唯一、辛い時に辛いと言える存在でした。大事な大事な友人。いてくれるのが当たり前だったので、いつでも会えると思っていたのです。

　私が広島に戻って、しばらくして、メールが届きました。末期がんであるという報告でした。会いたくて会いたくて、でも、私の記憶には元気な彼女しかなくて。当時の私には会いに行ける経済力もなく、彼女も元気な自分を覚えていてほしいと言われ、そのかわり、自宅療養になってからは、呼吸がつらいから、リハビリのために童謡の歌詞を毎日メールしてほしいと言われ、それを送っていました。

　その年の12月23日のメールを受け取り、私の携帯が鳴ったのが25日。彼女の弟さんからの電話で「姉が今朝亡くなりました」という報告でした。最後のメールの内容は、大事にしまっておきたいと思っています。彼女が本音をぶつけてくれていました。彼女の無念さを心に刻んでいこうと決意したメールでした。

　ちょうどその日と翌日に本番があり、どうにも動けず、ただただ泣くことしかできませんでした。その時、ああ、私、本当に友人がいなくなっちゃったなと思ったものです。今でも彼女に相談したいことがたくさんあります。生きていてくれたらと思います。私でさえ、そう思うのだから、彼女のご両親、ご家族はなおさらだと思います。年を重ねる毎に、寂しさが増します。まだ受け入れていないのだと思います。お墓参りに行く勇気すらないのです。認めるのが嫌だから。行きたい気持ちと、行きたくない気持ちがあります。

　私は、実際のところ、人付き合いが下手なのだと思っています。元来、甘え体質のくせに甘えられない人なので、頼ることもできないし、助けを求めることもできません。だから、友達、という存在が実際のところ少ないのだと思います。仕事仲間はたくさんいて下さるけれど、本音が言える人が本当に少ないのです。だから、頑張るしかないわけで、いつも疲れているという本末転倒な私。

　Facebookで、大学時代の仲間と何人か連絡が取れるようになり、今回の再会になったのですが、本当に久々に、「先生」であったり「ソプラノの…」ということではなく、ただの私として会えたことが本当に有り難かったです。

　これまで以上に、仲間を大事にしていこうと思いました。こんな私を思い出してくれた友人に本当に感謝でいっぱいです。

　今度は私が東京に会いに行けるように頑張ります。忙しいのに、立ち寄ってくれて本当にありがとうございました。楽しい一日になりました。頑張る！胸を張って会えるように、これからも誠実に頑張ります。