Generalpause
日々の出来事を思うままに、自分の言葉で…
伊藤黎さん
本日、さくらぴあ新人コンクール第二位に入賞した、門下生、伊藤黎さんの受賞者コンサートに行って参りました。
こちらです。さくらぴあ小ホール、素晴らしい響きです。ちょうど良い広さだと思います。無料なのですが、お客様がちょっと少ないのがもったいないかなーと思いました。素晴らしい才能を持った若い芽ですので、是非応援して頂きたいですね。
そして、プログラム。
あの…余計なことを申し上げてしまいます。大変申し訳ないのですが、さくらぴあ主催でのコンサートで、新人がこれから羽ばたくというコンサートです。できれば、白黒コピーではなく、ちゃんとカラーで印刷されたプログラムで応援してあげてほしいなと思いました。少なくとも公募したのではなく、ホール名の「さくらぴあ」という名前がついたコンクールの上位入賞者ですから。是非、次年度以降ご検討頂きたいなと思います。演奏家にとって、プログラムって大事なんです。演奏履歴として保管しますし、提出することもあります。その時に、やはりコピーではなく、劣化しにくい印刷したもののほうが有り難いことが多いのです。…ごめんなさい。
さて、演奏ですが、やはりハイレベルで皆さん素晴らしかったです。若い方がこれだけ力を持っている日本、広島なので、是非文化レベルを高めて、日本で活躍できる風土が出来るといいなと思います。芸術って、大事なんです。
そして、伊藤黎さん。
私は、彼女が高校を受験する少し前から、高校卒業まで指導しました。もともとヴァイオリンを習っていたので、大変音感もいいし、こだわりもあるし、耳もそれなりに鍛えられていますので、鍛え方次第では、伸びると分かっていました。声が良かったのです。
でも、だからこそ、困ったこともありました。音楽的な勘が幼少期から育てられているので、なんとなく出来てしまう。だからあまり練習をしない…。そして、彼女の学年はとにかくみんな歌が上手かったのです。試験がまるでコンサートかのようなレベルの高さで、本当に毎回試験が楽しみだったほど。だから、切磋琢磨しながら皆が上手くなっていって、素晴らしい学年でした。
そんな中で、焦りも感じたでしょうし、悔しさもあったり…複雑だったと思います。エンジンがかかってきたのは、高3の夏休みだったのではないでしょうか。コンクールを受けたいということで、毎日のようにレッスンをしました。その間、レッスン代は受け取っていません。音高生のホームレッスンは認められていないからです。それでも、彼女のやる気を受け止めたいと思ったので、レッスンを優先させました。本当によく頑張ったと思います。本当にあの時は、すごくレッスンを頑張りました。細かい部分に至るまでレッスンが出来ましたから。
日本クラシック音楽コンクールの全国大会へ進出したのですが、その年はなぜか大学生と高校生が同じ枠で競うという妙なシステムだったのです。でも、彼女は大学生を抑え、1、2位なしの3位に入賞。4位は京芸の大学生でした。あの時、本当に驚きましたが、嬉しかったです。やはりコンクールには勝ち方があるのだと思いましたし、このレベルでないとダメなんだなとも分かりました。彼女の努力の成果でした。
もともと、私はコンクールというものが好きではないので、生徒には積極的に勧めません。本人が言ってきたら、可能な限り挑戦します。伊藤の場合もそうでした。
認められることの喜びは、彼女にとって大きな刺激になったのだと思います。神戸国際音楽コンクールでも最優秀賞を受賞し、大変実りある取り組みだったと思います。
やがて京都市立芸術大学に進学し、私の手から離れました。折に触れ、きちんとその時その時の報告をしてくれました。たくさん悩みながらも、素晴らしい師や、本当に優しい友達に恵まれ、彼女の内面が大きく成長していくのがよくわかりました。そして、とても謙虚になりましたし、お客様を大事にする歌い手に成長していました。
大学でも、元来の負けん気と凝り性が力を発揮し、先生方のお導きにより、大変かわいがって頂いたようで、活躍させて頂ける場もあったようです。大学院も無事修了し、現在は留学に向けて頑張っているところです。
さくらぴあの小ホールでは十分すぎる響きで歌ってくれました。日本歌曲は、正直まだまだです。でもそれでいいんです。若いからこその歌い方があります。勉強のためにも、それでいいと思っています。フランス歌曲については、声の質からしてとても合うので、是非勉強して欲しいです。ただ、こだわりがとても強いので(笑)こだわり過ぎて、歌い難くしているところがあります。若いうちにありがちな、「あれもこれもやってしまおう!唱法」になることで、全体を歌い通すバランスが崩れてきます。でもそれも経験していくことで克服できると思います。今は未熟でいいんです。間違えていてもいいんです。たくさん曲に触れて、感性を磨くことが大事。そう、表現力はもともと豊かな人なので、それは全然心配していません。ただ、こだわりすぎて小さくなることがあるので、大胆に突き進んでほしいなと思います。
そういう意味では、ドリーブの「カディスの娘たち」は秀逸だったと思います。あれが、伊藤黎さん、という個性が発揮された歌だと思います。一言で言えば、「気が強い」でも悪い意味ではありません(笑)気持ちの強さ、です。それが曲に乗るようになったというのは、素晴らしい進歩です。こう表現したい、という思いが強いというのは、素晴らしいことです。批判を恐れず、大胆にのびのび歌ってほしいと思います。気にしたら歌えなくなりますからね。いいんです。周囲は好き勝手なことしか言わないんだから、気にする必要はありません。
カディスがあまりに乗りすぎていたので、椿姫もそんな空気感になっていました。このあたりが、若さです。でも、いいんです。それくらいのほうが、勢いがあって。とてもよく声も出ていたし、アジリタも良く出来るようになっていました。転がる声じゃなかったのに、よく訓練したなと思いました。この子のこだわりを持った練習が浮かぶようです。とても微笑ましく聴きました。
よく頑張っていました。声もよく通るし、表現力もあるし、美しいし、楽しみな逸材だと思っています。期待しています。
彼女は、とても礼儀正しく、いつもいつも、丁寧に連絡をくれます。そして、大事な話は、よっぽど互いの都合が悪くなければ、会って伝えるようにしてくれています。
もうね、ほんとにかわいいんです。私にとっては。かけがえのない生徒です。一緒に学び、一緒にチャレンジしたので、ある意味私も彼女に鍛えてもらい、彼女に「先生」にしてもらったのかもしれません。
美しいでしょ。
ピアニストの森田さん。素敵な伴奏でした。ありがとうございました。
楽しみです。本当に。透き通った声、豊かで迫力ある表現力、皆が美しいと思う容姿を持っていることも武器だと思います。
まだまだ未熟でいいんです。これからたくさん学ぶのですから。彼女なら出来ると思います。私も彼女に恥ずかしくない人でいようと思いました。私も歌、頑張ります。素晴らしい演奏でした。おめでとうございます。成長が見られて幸せに思いました。転がらない声、続かない息、いろいろ苦労していましたが、今日の歌は、全てあなた自身の努力で克服されていました。素晴らしいことだと思いました。嬉しくて嬉しくて…。幸せな思いをさせてもらっているなーと、心から感謝しました。
私は、自分の手から離れたら、あとは、次の先生にお任せします。私のことを忘れてもらってもいいと思っています。どんどん素晴らしい先生と出会ってほしいから。なぜか音楽界には多いのですが、かつての門下生がリサイタルなどの演奏活動をするとき、自分に連絡がない、とか、自分のレッスンを受けてから、と思う人が多いようです。でも、もう自分の手から離れたら、あとは次の先生にお任せして、迷わせないようにすることも大事だし、いつまでも先生風を吹かせたくないなと思っています。手から離れたら、ひたすら、彼女の音楽人生が実り多きものになるよう、誰よりも強く願い応援する。それだけなんです。これは他の門下生も同じ。ただ、万が一、頼って来られたときに、何でも答えられるよう引き出しを増やしておかなければなりません。だから、私も挑戦し続けるのです。私も頑張ろうと本当に思います。
本当に素晴らしい演奏でした。おめでとう。
そして、どうか、伊藤黎を今後ともよろしくお願い致します。
こちらです。さくらぴあ小ホール、素晴らしい響きです。ちょうど良い広さだと思います。無料なのですが、お客様がちょっと少ないのがもったいないかなーと思いました。素晴らしい才能を持った若い芽ですので、是非応援して頂きたいですね。
そして、プログラム。
あの…余計なことを申し上げてしまいます。大変申し訳ないのですが、さくらぴあ主催でのコンサートで、新人がこれから羽ばたくというコンサートです。できれば、白黒コピーではなく、ちゃんとカラーで印刷されたプログラムで応援してあげてほしいなと思いました。少なくとも公募したのではなく、ホール名の「さくらぴあ」という名前がついたコンクールの上位入賞者ですから。是非、次年度以降ご検討頂きたいなと思います。演奏家にとって、プログラムって大事なんです。演奏履歴として保管しますし、提出することもあります。その時に、やはりコピーではなく、劣化しにくい印刷したもののほうが有り難いことが多いのです。…ごめんなさい。
さて、演奏ですが、やはりハイレベルで皆さん素晴らしかったです。若い方がこれだけ力を持っている日本、広島なので、是非文化レベルを高めて、日本で活躍できる風土が出来るといいなと思います。芸術って、大事なんです。
そして、伊藤黎さん。
私は、彼女が高校を受験する少し前から、高校卒業まで指導しました。もともとヴァイオリンを習っていたので、大変音感もいいし、こだわりもあるし、耳もそれなりに鍛えられていますので、鍛え方次第では、伸びると分かっていました。声が良かったのです。
でも、だからこそ、困ったこともありました。音楽的な勘が幼少期から育てられているので、なんとなく出来てしまう。だからあまり練習をしない…。そして、彼女の学年はとにかくみんな歌が上手かったのです。試験がまるでコンサートかのようなレベルの高さで、本当に毎回試験が楽しみだったほど。だから、切磋琢磨しながら皆が上手くなっていって、素晴らしい学年でした。
そんな中で、焦りも感じたでしょうし、悔しさもあったり…複雑だったと思います。エンジンがかかってきたのは、高3の夏休みだったのではないでしょうか。コンクールを受けたいということで、毎日のようにレッスンをしました。その間、レッスン代は受け取っていません。音高生のホームレッスンは認められていないからです。それでも、彼女のやる気を受け止めたいと思ったので、レッスンを優先させました。本当によく頑張ったと思います。本当にあの時は、すごくレッスンを頑張りました。細かい部分に至るまでレッスンが出来ましたから。
日本クラシック音楽コンクールの全国大会へ進出したのですが、その年はなぜか大学生と高校生が同じ枠で競うという妙なシステムだったのです。でも、彼女は大学生を抑え、1、2位なしの3位に入賞。4位は京芸の大学生でした。あの時、本当に驚きましたが、嬉しかったです。やはりコンクールには勝ち方があるのだと思いましたし、このレベルでないとダメなんだなとも分かりました。彼女の努力の成果でした。
もともと、私はコンクールというものが好きではないので、生徒には積極的に勧めません。本人が言ってきたら、可能な限り挑戦します。伊藤の場合もそうでした。
認められることの喜びは、彼女にとって大きな刺激になったのだと思います。神戸国際音楽コンクールでも最優秀賞を受賞し、大変実りある取り組みだったと思います。
やがて京都市立芸術大学に進学し、私の手から離れました。折に触れ、きちんとその時その時の報告をしてくれました。たくさん悩みながらも、素晴らしい師や、本当に優しい友達に恵まれ、彼女の内面が大きく成長していくのがよくわかりました。そして、とても謙虚になりましたし、お客様を大事にする歌い手に成長していました。
大学でも、元来の負けん気と凝り性が力を発揮し、先生方のお導きにより、大変かわいがって頂いたようで、活躍させて頂ける場もあったようです。大学院も無事修了し、現在は留学に向けて頑張っているところです。
さくらぴあの小ホールでは十分すぎる響きで歌ってくれました。日本歌曲は、正直まだまだです。でもそれでいいんです。若いからこその歌い方があります。勉強のためにも、それでいいと思っています。フランス歌曲については、声の質からしてとても合うので、是非勉強して欲しいです。ただ、こだわりがとても強いので(笑)こだわり過ぎて、歌い難くしているところがあります。若いうちにありがちな、「あれもこれもやってしまおう!唱法」になることで、全体を歌い通すバランスが崩れてきます。でもそれも経験していくことで克服できると思います。今は未熟でいいんです。間違えていてもいいんです。たくさん曲に触れて、感性を磨くことが大事。そう、表現力はもともと豊かな人なので、それは全然心配していません。ただ、こだわりすぎて小さくなることがあるので、大胆に突き進んでほしいなと思います。
そういう意味では、ドリーブの「カディスの娘たち」は秀逸だったと思います。あれが、伊藤黎さん、という個性が発揮された歌だと思います。一言で言えば、「気が強い」でも悪い意味ではありません(笑)気持ちの強さ、です。それが曲に乗るようになったというのは、素晴らしい進歩です。こう表現したい、という思いが強いというのは、素晴らしいことです。批判を恐れず、大胆にのびのび歌ってほしいと思います。気にしたら歌えなくなりますからね。いいんです。周囲は好き勝手なことしか言わないんだから、気にする必要はありません。
カディスがあまりに乗りすぎていたので、椿姫もそんな空気感になっていました。このあたりが、若さです。でも、いいんです。それくらいのほうが、勢いがあって。とてもよく声も出ていたし、アジリタも良く出来るようになっていました。転がる声じゃなかったのに、よく訓練したなと思いました。この子のこだわりを持った練習が浮かぶようです。とても微笑ましく聴きました。
よく頑張っていました。声もよく通るし、表現力もあるし、美しいし、楽しみな逸材だと思っています。期待しています。
彼女は、とても礼儀正しく、いつもいつも、丁寧に連絡をくれます。そして、大事な話は、よっぽど互いの都合が悪くなければ、会って伝えるようにしてくれています。
もうね、ほんとにかわいいんです。私にとっては。かけがえのない生徒です。一緒に学び、一緒にチャレンジしたので、ある意味私も彼女に鍛えてもらい、彼女に「先生」にしてもらったのかもしれません。
美しいでしょ。
ピアニストの森田さん。素敵な伴奏でした。ありがとうございました。
楽しみです。本当に。透き通った声、豊かで迫力ある表現力、皆が美しいと思う容姿を持っていることも武器だと思います。
まだまだ未熟でいいんです。これからたくさん学ぶのですから。彼女なら出来ると思います。私も彼女に恥ずかしくない人でいようと思いました。私も歌、頑張ります。素晴らしい演奏でした。おめでとうございます。成長が見られて幸せに思いました。転がらない声、続かない息、いろいろ苦労していましたが、今日の歌は、全てあなた自身の努力で克服されていました。素晴らしいことだと思いました。嬉しくて嬉しくて…。幸せな思いをさせてもらっているなーと、心から感謝しました。
私は、自分の手から離れたら、あとは、次の先生にお任せします。私のことを忘れてもらってもいいと思っています。どんどん素晴らしい先生と出会ってほしいから。なぜか音楽界には多いのですが、かつての門下生がリサイタルなどの演奏活動をするとき、自分に連絡がない、とか、自分のレッスンを受けてから、と思う人が多いようです。でも、もう自分の手から離れたら、あとは次の先生にお任せして、迷わせないようにすることも大事だし、いつまでも先生風を吹かせたくないなと思っています。手から離れたら、ひたすら、彼女の音楽人生が実り多きものになるよう、誰よりも強く願い応援する。それだけなんです。これは他の門下生も同じ。ただ、万が一、頼って来られたときに、何でも答えられるよう引き出しを増やしておかなければなりません。だから、私も挑戦し続けるのです。私も頑張ろうと本当に思います。
本当に素晴らしい演奏でした。おめでとう。
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プロフィール
HN:
Shima
性別:
女性
職業:
声楽家/声楽講師
趣味:
ドライブ、料理、美術館めぐり
自己紹介:
広島で活動中の声楽家です。
ホームページもご覧下さい。末永くよろしくお願い致します。
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