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日本音コン ヴァイオリン部門ドキュメンタリー
- 2018/12/30 (Sun)
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日本音楽コンクールのドキュメンタリーを見ました。ヴァイオリン部門の密着でした。再放送ですけどね。見逃していたので。
1位 荒井 里桜さん レウカディア賞、鷲見賞、黒栁賞
2位 佐々木 つくしさん 黒栁賞、岩谷賞
3位 福田 麻子さん
入選 関 朋岳さん
という結果でした。
個人的には、荒井さんがやはりダントツで素晴らしかったと思います。納得の一位です。確かなテクニックと、きちんとした解釈、理性、知性、感性共にバランスの良い表現力、圧倒的だったのではないかと思います。好きでしたね。とても音楽に誠実な演奏でした。
佐々木つくしさんは、才能が豊かで、これからが楽しみな逸材ですね!チャイコフスキーのコンチェルトで、オーソドックスな曲だからこその難しさはあると思うのですが、高校生らしく、でも、高校生らしからぬ技術、良かったですねぇ。全力を「つくす」の、つくしさんなんだそうです。大人になって、人生経験を積んで、更に豊かな表現力を身につけて行かれるのだろうと思います。海外を視野に入れて動いているところも素晴らしいですね。
福田さんは超絶技巧でしたね。年齢的にもラストチャレンジと思われたそうで、なんとバルトーク。プロさえ嫌がる難易度の高い曲。それをプロのオケを相手にコンクールで演奏てしまう強さを感じました。自分を高めるためと仰っていました。ただ、オケと合わせるのは難しさを極めたのではないかと思います。
関さんは、こだわりの演奏でした。荒井さんと同じ、ブラームスのコンチェルトでしたが、繊細さを追求していました。このこだわりが、吉と出る時と、残念な結果になることがあります。もし、彼の解釈が聴衆に受け入れられていたとしたなら、岩谷賞を受賞していたと思いますが、残念ながらそれは叶いませんでした。
彼が受けていたレッスン風景に、私は深く共感しました。神尾真由子先生が「最初の音、どういう音を出したいか、全く考えていない」と指摘されました。実際何考えて音を出しているかと問われ、彼は意味が分かっていませんでした。想いが先に立つタイプなんでしょうね。
すごく大事なことなんです。でも、何も考えず音を出す、何も考えず声を出す、のは一番やってはならないことです。どんな音をどう出したいか、どんな声で何をどう歌いたいか、意識をして音を出すことは、演奏家として必須です。無意識に出してはならないと思っています。歌は、もっと言えば、どういう声を出したいか、もっと言えば「そのためにはどんなブレスをするか」まで考えないと、間に合わないんです。
関さんの演奏、こだわりは、素晴らしいです。ただ、独りよがりになる怖さと紙一重なんです。作曲家の意図よりも、自分を優先させる可能性もあるからです。
ブラームスは、どこか土臭く、人間臭く、音も表現も芯の強さが求められると思います。重厚な和音、ベートーヴェンへの憧れ…それを繊細に表現するのはかなりのチャレンジだと思います。もちろん、男性の演奏なので、力強さもありますし、大胆さもあるのですが、やはり、荒井さんのブラームスは、その解釈も光ったと思いますし、感情に走る演奏ではなく、感情表現豊かにも関わらず、バランスの取れた素晴らしい表現でしたので、コンクールにおいては、荒井さんが優位だったかなぁと思います。
ここが難しいところです。
音楽家ですから、こう演奏したい!という強い思いがないと舞台では生きてこないんですね。ただ、自分の想いと、作曲家の想いは、離れるべきではなく、あくまでも作曲家の意図が最優先。そこに、自分らしさをいかにバランス良く織り込むか…。
コンクールというのは、私は、実は、好きではありません。毎年優勝者が出ます。肩書きにはなりますが、その後、どうなるかの方が大事なのです。コンクールで無冠でも、素晴らしい演奏家はたくさんおられます。生徒が受けたコンクール、最優秀をいただいたり、そうでなかったりしましたが、勝ち方があるのだなとつくづく思いました。
チャレンジは、大事です。素晴らしいことです。ただ、向いている人と、そこでなくても輝ける人がいると思います。
ああ、コンクールって複雑だなぁと。
でも、音楽家への登竜門と言われる日本最難関のコンクールで戦われた皆様、私は尊敬します。様々なことがあるかと思いますが、日本の音楽界をどんどん引き上げて頂きたいと思います。
素晴らしいドキュメンタリーでした!ありがとうございました!
1位 荒井 里桜さん レウカディア賞、鷲見賞、黒栁賞
2位 佐々木 つくしさん 黒栁賞、岩谷賞
3位 福田 麻子さん
入選 関 朋岳さん
という結果でした。
個人的には、荒井さんがやはりダントツで素晴らしかったと思います。納得の一位です。確かなテクニックと、きちんとした解釈、理性、知性、感性共にバランスの良い表現力、圧倒的だったのではないかと思います。好きでしたね。とても音楽に誠実な演奏でした。
佐々木つくしさんは、才能が豊かで、これからが楽しみな逸材ですね!チャイコフスキーのコンチェルトで、オーソドックスな曲だからこその難しさはあると思うのですが、高校生らしく、でも、高校生らしからぬ技術、良かったですねぇ。全力を「つくす」の、つくしさんなんだそうです。大人になって、人生経験を積んで、更に豊かな表現力を身につけて行かれるのだろうと思います。海外を視野に入れて動いているところも素晴らしいですね。
福田さんは超絶技巧でしたね。年齢的にもラストチャレンジと思われたそうで、なんとバルトーク。プロさえ嫌がる難易度の高い曲。それをプロのオケを相手にコンクールで演奏てしまう強さを感じました。自分を高めるためと仰っていました。ただ、オケと合わせるのは難しさを極めたのではないかと思います。
関さんは、こだわりの演奏でした。荒井さんと同じ、ブラームスのコンチェルトでしたが、繊細さを追求していました。このこだわりが、吉と出る時と、残念な結果になることがあります。もし、彼の解釈が聴衆に受け入れられていたとしたなら、岩谷賞を受賞していたと思いますが、残念ながらそれは叶いませんでした。
彼が受けていたレッスン風景に、私は深く共感しました。神尾真由子先生が「最初の音、どういう音を出したいか、全く考えていない」と指摘されました。実際何考えて音を出しているかと問われ、彼は意味が分かっていませんでした。想いが先に立つタイプなんでしょうね。
すごく大事なことなんです。でも、何も考えず音を出す、何も考えず声を出す、のは一番やってはならないことです。どんな音をどう出したいか、どんな声で何をどう歌いたいか、意識をして音を出すことは、演奏家として必須です。無意識に出してはならないと思っています。歌は、もっと言えば、どういう声を出したいか、もっと言えば「そのためにはどんなブレスをするか」まで考えないと、間に合わないんです。
関さんの演奏、こだわりは、素晴らしいです。ただ、独りよがりになる怖さと紙一重なんです。作曲家の意図よりも、自分を優先させる可能性もあるからです。
ブラームスは、どこか土臭く、人間臭く、音も表現も芯の強さが求められると思います。重厚な和音、ベートーヴェンへの憧れ…それを繊細に表現するのはかなりのチャレンジだと思います。もちろん、男性の演奏なので、力強さもありますし、大胆さもあるのですが、やはり、荒井さんのブラームスは、その解釈も光ったと思いますし、感情に走る演奏ではなく、感情表現豊かにも関わらず、バランスの取れた素晴らしい表現でしたので、コンクールにおいては、荒井さんが優位だったかなぁと思います。
ここが難しいところです。
音楽家ですから、こう演奏したい!という強い思いがないと舞台では生きてこないんですね。ただ、自分の想いと、作曲家の想いは、離れるべきではなく、あくまでも作曲家の意図が最優先。そこに、自分らしさをいかにバランス良く織り込むか…。
コンクールというのは、私は、実は、好きではありません。毎年優勝者が出ます。肩書きにはなりますが、その後、どうなるかの方が大事なのです。コンクールで無冠でも、素晴らしい演奏家はたくさんおられます。生徒が受けたコンクール、最優秀をいただいたり、そうでなかったりしましたが、勝ち方があるのだなとつくづく思いました。
チャレンジは、大事です。素晴らしいことです。ただ、向いている人と、そこでなくても輝ける人がいると思います。
ああ、コンクールって複雑だなぁと。
でも、音楽家への登竜門と言われる日本最難関のコンクールで戦われた皆様、私は尊敬します。様々なことがあるかと思いますが、日本の音楽界をどんどん引き上げて頂きたいと思います。
素晴らしいドキュメンタリーでした!ありがとうございました!
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Shima
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女性
職業:
声楽家/声楽講師
趣味:
ドライブ、料理、美術館めぐり
自己紹介:
広島で活動中の声楽家です。
ホームページもご覧下さい。末永くよろしくお願い致します。
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