Generalpause

日々の出来事を思うままに、自分の言葉で…

という訳で(笑)

強引にもう一個書きます。えっと…何にしようかな(笑)

合唱団にヴォイストレーナーを置くメリットについて書いてみます。うん、そうだ。それがいい。

でもね、結構デリケートな話題なので…。気分を害される方もおられるかもしれませんが、誤解を恐れずに書きます。素直に。真摯に。


歌というのは、やっかいで。別に音大など出なくても、上手い人はいくらでもいるんです。私もたくさん知っています。東京時代には、プロと変わらないくらい上手い人がいました。たいてい本人も歌える自分をご存知です(笑)ある方など、お金持ちですから、いくらでも一流の指導者のレッスンも受けられるし、チケットノルマだって耐えられるのでオペラにも出る。そんな人がいました。

でも、なんです。我々音大卒だって、ただ学校に通っていた訳ではなく、音楽史、音楽理論、ソルフェージュ、聴音、日本音楽、演奏法、指揮法、教育課程、様々勉強してきました。時には泣きながら。叱られながら。ただ、歌えばいいという作業だけで終わっている人はいないのです。プライドを持って、それは言えます。そのための音大ですから。もちろん、音大卒でなくてもプロとしてご活躍されている方も大勢おられます。でも、どの方も音楽理論など、きちんと勉強されていると思います。これまでお会いしたそういう方は皆さんそうでしたし、音大卒よりも詳しかったりします。

私は生活するためにOLだった時代があります。でも、やっぱり歌いたくて、合唱が好きだから、合唱団に入りました。音大卒ということを伏せて入ったところもありますし、卒業大学をなぜか書かされるので、仕方なく書いたところがありまして、そこである時、プロのピアニストの方の譜めくりをしながら歌っていたのですが、そのときに「君ね、普通の人じゃないでしょう。音大出てるよね」とすぐバレました。「わかるんですか?」と聞いたら、「教育を受けた人の歌だから。その違いが出ないとむしろ恥ずかしいんだけどね」と言われました。その方は日本を代表する伴奏ピアニストで、いろいろ大切なことを仰って下さいました。

私はそこを別の理由で退団しましたが、様々なことがありました。

歌ってね、バカにされやすいんです(笑)誰でも出来るから。これはもう本当に様々な思いをしました。

昔、先生にそれを泣きながら言ったら「あのね、歌い手ってバカにならなきゃ歌えないのよ。でもね、バカじゃ歌えないのよ。だから、いいじゃない。バカなふりをしていればいいのよ。バカにする人が間違っているのよ。プロにはプロの流儀があるの」と励まして下さったことがあります。

東京時代、幾つかヴォイストレーニングで伺っていた合唱団がありました。様々な団にお邪魔したので、それはもう、いろんなパターンを見て来ました。指揮者に裏切られた団とか、団員同士が対立し激しく分裂した団とか、指揮者を裏切った団もありました。いろいろです。歴史有りですからね。それはそれでいいんです。

でも、もめる団は、いつもどこも同じような内容が発端で、もめるんです。

それは、団員の中から指導者のような人が出てくる場合です。自分が上手いと思っていたり、自分が優れていると思っている人が前に立って指導をしたり、他パートを「音程が悪い」とか「気合いが入っていない」とか何かと諌めたり、発声指導を始めたり。これは、なかなかその方に「やめて下さい」と言える人が少ないと思うんですけど、とても危険なことなんです。

その方にとっては「良かれ」と思ってのことだということも理解できます。責任感と団への愛情があってのことですから。でも、なんです。パートリーダーという役割であっても、慎重に進行すべきと思います。私もその役割をしたことがあるので、よくわかりますが、なかなか難しいです。

団員という同じラインのはずなのに、という思いが必ずあります。そして、その団には、必ず指揮者というプロの方がおられます。いかなる場合も、指揮者の領域に立ち入ってはいけないんです。立ち入るなら、自分で団を立ち上げなければなりません。それくらい非礼なことです。プロはプロになるための勉強をちゃんと積んでいます。それを否定することになるのです。自分たちで選んだプロの指揮者なのです。そこに立ち入ることはしてはならないと思います。異論はあるかと思いますが。

アマチュアの合唱団は、様々な目標、目的を持って結成されています。その温度差も様々。

分裂することなく、長年上手く行っている団は、たいてい指揮者を慕って集まっている合唱団が多いです。その指揮者の方はプロのヴォイストレーナーを入れて、決して団員の中から「指導者的存在」を出さないようにしています。もちろん、企画の一つとして、団員の方が指揮をする場合もあります。でも、これもなかなか難しい。その方によっぽど人徳があれば別ですが、たいていは反発を買います。嫉妬、とはまた違うんです。よっぽど皆さんから承認された企画、人材であれば別です。

団員のラインからそういう立場になる方に求められるのは、きちんとした根拠に裏付けされた指導と、謙虚に導く人柄です。

どんなに団に貢献しても、自分の思い通りになる団ではありません。そのことに気付けず、自分を通し続けると、気付いた時には、一人なんです。それは合唱にはなりません。

我々プロだって、自分の発声について常に考え、磨き、悩んでいます。これでいいと思う発声などありません。日々研究し、精進し続けています。だからこそ、その人の声を聞いたら、たいていうまくいかない原因がわかります。なぜなら、自分が紆余曲折、試行錯誤しながら通った道だからです。


私は「自分は未熟」と思って日々過ごしています。ま、その通りなんですが。

プライドというのは人に対してひけらかすものではなく、自分が密かに持っていればいいと思っています。一歩間違うと、「私が」と思ってしまい、例えばちょっと冷遇されただけで大騒ぎするソプラノ歌手になってしまうわけです(笑)

いましたよー、そういう人。グループコンサートで、それぞれソリストなのに、楽屋に入るなり「私の鏡は?私の席はどこなの?」と鏡前(化粧台)でないと承諾しない人もいました。我々武蔵野組は手鏡で化粧していて、ああ、武蔵野で良かったと思いましたもん。コンパクトに準備をすることに慣れていますからね(笑)

たかが歌い手、そう思って動くようにしています。だから雑用もするし、使いっぱしりも喜んでします。そして、心の中で「されど歌い手」と戒めて本番を迎えます。これは、ずっと変わらないです。「私が」という勘違いはだめなんです。絶対に驕ってはなりません。そういう演奏になるから。

例えば、被爆ピアノもそうです。主役は被爆ピアノなんです。その被爆ピアノが輝くことが大事で、そのためにいい演奏をしたいと思っています。だから、私のことを覚えて頂けなくても当然なんです。いいんです。ただ、被爆ピアノの音と存在を覚えていて下さればいいんです。

勘違いをしないこと。これはプロでも、アマチュアでも言えることなんですよね。要するに「人として」大事なことを要求されているのだと思います。

ただ、私は立場上「されど歌い手」「されどプロ」なので、例えば、ヴォイストレーニングに伺う合唱団では、指揮者の望む発声がどういうものなのか、どういう音色を求めていて、何が出来るようにしてほしいのかをとことん伺います。そして、わかりやすい言葉で、時間をかけて少しずつ習得して頂けるように心がけます。プロを雇った意味があるようなレッスンをしてきます。団員の方には「プロをうまく利用して下さい」と申し上げています。

プロにはプロの仕事があるのです。うまく利用して下さい。

団員は団員であり、指導者ではないのです。それをお話しするのも実は指導者の役目なんですよ(^^)一生懸命で責任感の強さのあまり、団員の中から、指導者のような立場になってしまう方もおられます。でも、プロに任せて下さい。どの団でも。自分の感情だけを見るのではなく、同じ団員というラインの方々の顔も見て下さい。周りが大人だから、許してくれていることがほとんどです。上手い人ほど謙虚、なくらいが丁度いいと思います。そしたら、きっと周りから「お願い出来たら助かるんだけど」と言われます。本当はそうならなきゃいけないんです。認められてから動くことが大事です。

合唱団って、とってもデリケートなところなんですよ(^^)愛すべき合唱、です。

雨がひどくなってきました。前回のブログのテーマがあまりに「あれ」だったので、思わず書き直したのですが、思った通り、熱が入ってしまいました。異論はあろうかと思いますが、私のブログなのでお許し下さい。

そんなこんなで、日付が変わってしまいました!さぁ、編曲の手直しをしてから寝ます。

今日も一日おつきあい下さり、ありがとうございました。また明日ここでお会い出来たらと思います。おやすみなさいませ。

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プロフィール

HN:
Shima
性別:
女性
職業:
声楽家/声楽講師
趣味:
ドライブ、料理、美術館めぐり
自己紹介:
広島で活動中の声楽家です。
ホームページもご覧下さい。末永くよろしくお願い致します。
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